新型コロナウィルスの状況を踏まえ、これまでJIAM Fintech Square で開催されていたワークショップをオンラインでの再開をめざし、6月25日に第1回目を「「Covid-19は資産運用業界に何をもたらしたか」と題し、開催致しました。
第1部ではCovid19 のようなリスクに投資家がどのように対応できるのか、多様なデータを取りこみ、市場をシナリオ分析予測するモデルを提供されているサピアットの共同創業者・代表取締役社長の石井正太氏にご講演頂きました。
複数の情報ソース(AIの分析、財務データ、オルタナティブデータ、アナリストの意見、地政学ニュース)から複数のシナリオを分析し、その場合のポートフォリオを想定しておくことの重要性について解説を頂きました。今回の状況下、ウィルス拡大シナリオを想定して動いた投資家もいたとのことですが、複数のシナリオの変化を時々刻々捉えシナリオ展開するかの予兆にいち早く気付くためにも、多様な情報ソースを整備、活用することの重要性を認識させられる講演でした。
第二部では、石井様に運用やデータ活用の第一線で活躍される以下パネリストの皆様も加わって頂き、Covid19 の資産運用業界への影響についての考察を共有頂きました。(詳しいプロフィールはこちら)
マイクロナイズ株式会社 代表取締役 冨家 友道 氏
Mirage Mountain Technologies CEO/チーフファンドマネジャー 野村 至紀 氏
三菱UFJ信託銀行株式会社 フロンティア戦略企画部
データ管理信託室/インフラビジネス室上級調査役 桑原 哲也 氏
実際に、資産運用業界でもリモート勤務が導入され、社内業務プロセスにもあらゆる変化が見られたこと、リモートで多くのことができることが判明し、オフィスの存在意義すら問われ兼ねない等、リモート勤務普及が更に広く進む場合に対応し切れていないオペレーショナルリスクへの対応が必要なこと(電子ログ保管の徹底等)等ご指摘頂きました。
また、投資信託の販売チャネルが窓販からネットへとシフトする等、新しい業界環境ならではのビジネスチャンス等、コロナ危機により生まれた新しい商機についても提起頂きました。
Covid19 以降は、これまで以上にESG投資の重要性が増したり、地政学リスクがかつてなく高まる等、時代や世界の変化として起きていたことが、Covid19 により一気に増幅したのではないか、というコメントもありました。Covid19の資産運用のアプローチ(例えば状況把握の為に収集されるデータの幅が広がり、オルタナティブデータの活用がさらに重要性を帯びる?)やテーマへの影響を今後も注視し、ワークショップのテーマとしていきたいと考えております。
以上