12月19日にJIAMの資産運用xFintechシリーズの最終回となるワークショップを開催しました。資産運用高度化の切り札と目されるオルタナティブデータの活用についての資産運用業者向け調査の速報、また2019年のFINTECH100に選出された日本のフィンテック企業3社にプレゼンを頂く等、2020年に向けてフィンテックの今後を占う、年末に相応しい会となりました。
JIAMでは世界的にオルタナティブデータの市場が拡大する中、日本の資産運用業界は現在どのようにオルタナティブデータを活用しているのか、また今後活用していくにあたって直面している課題と考えられる解決策を探るべく、日本の資産運用会社にヒアリングを行って参りました。一緒にリサーチを行って頂いている、あずさ監査法人ディレクターの村澤竜一氏にこの調査の速報を解説頂きました。
ヒアリングを行った企業10社の75%がオルタナティブデータを何らかの形で使用しており、従来型の財務データを補足できるようなテキストデータ(アナリストレポート、決算会見等)の使用が中心であることが分かっています。しかしながら更なる活用を推進する上での課題として、データの信頼性(法令に遵守した形で活用できる法的安全性も含む)、データ活用の為の専門人材の不足、データ活用以前のデータ・クリーニング等に掛かるコスト(人的なものも含む)が指摘されています。
KPMGあずさ監査法人ディレクター 村澤竜一氏
続いてKPMGが毎年世界的に革新的なフィンテック企業を選出するFINTECH 100に選定された日本企業3社(アルパカジャパン株式会社 四元盛文CEO、TORANOTEC株式会社 藤井亮助取締役、株式会社FOLIO甲斐真一郎会長)にプレゼンテーションを頂きました。アルパカはAIを駆使した金融市場予測ソリューション、TORANOTECとFOLIO はB2C向け資産運用フィンテックを提供し、投資経験の浅い個人でも簡単に、楽しく資産運用を体験できるサービスを提供しています。日本の資産運用の高度化というミッションを共有される3社の皆様にご登壇を頂けましたことは大変光栄でした。
アルパカジャパン株式会社 四元盛文CEO
株式会社FOLIO 甲斐真一郎会長
TORANOTEC株式会社 藤井亮助取締役
限られた時間の中、まだまだ登壇者様も参加者も話したりないという感じでしたが、以下いくつかの気付き・キーメッセージです。
- 資産運用業者がアセットサイズを捨てると、幅広い層に対してアプローチすることができる。
- 個人資産管理(PFM)の成功の為のPMF(Product Market Fit)の重要性
- オルタナティブデータ活用の競争力はデータクレンジング・整備ではなく、データが揃ってから発揮されるべき。