2023年6月29日に開催されたJIAM主催ワークショップ「3都市で語る国際金融都市OSAKAの今」の主要な内容をまとめました。
詳しくはこちらのイベントページよりアーカイブをご覧ください。
Key takeaways
- 大阪は構想以前からそもそも金融都市であった。道修町 北浜に位置する。アートの起点になっている。全ての商業が繋がってたのではないか。改めてみると歴史的にコンパクトなエリアに集積していると思う。大阪東部などのサポーティングインダストリーも重要な役割があると思う。大阪府庁に昔はアートが置いてあったがその価値に気づいておらずぞんざいな扱いをしていた。ちゃんと評価して価値を正しく認識する必要があるものがたくさんあり、プロモーションできてない部分があるとおもう。
- 大阪の企業年金の力と結束力に期待している。元来の素質として投資に対しての目が厳しいと感じている。(保守的ではなくて、合理的で目利きが厳しいということ。)大阪のサプライチェーン関連企業の企業財務は優秀な人が多い印象。大阪の企業財務から見た金融のあり方について議論できるのではないか。
- 福岡は2012年ごろからイノベーション都市を目指していこうと「スタートアップ都市宣言をおこなっている。支店経済が中心だったが、支店も数が減っている中、「スタートアップ」と言う切り口にたどり着いた。福岡を中心とする九州などの企業とスタートアップの連携を通じてビジネスハブとして新しいビジネス機会の創出を目指している。
- 福岡は実体経済によってお金が動いている。福岡自体の産業基盤はさほど強くはないが、北九州や熊本があるため、TEAM FUKUOKAでは「九州」として動いていこうとしている。
- 地域内の産業成長を促進するための血液としての金融も重要だが、東京のような資本市場に近く金融業が集積している地域と都市間の連携を行うことのメリットもあるのではないか。
- もともとFinCity.Tokyoで行っている政策提言も東京のための提言はひとつもない。他都市で起きていることに対してもアンテナを張っている。国際金融機能を高めることで広い地域の資金ニーズに応えることを目指している。国内の他都市はもちろん、サプライチェーン全体の資金需要に応えられるように日本全体で準備を進めることが必要だと考えている。
- 東南アジアの人たちに対しては、東京はインドネシア、大阪はタイ、福岡は香港と同じ経済規模があると言うと東京以外の都市も理解されやすい。
- 大阪はコロナ禍でも航空貨物便が多かった。最近では物流センターがたくさん出来ている。昔から山の水を引いて来やすかったとされる大阪東部エリアにはサポーティングインダストリーとなるような中小企業が集積した地域となっている。そのような多様なプレイヤーが一堂に集まっているのが大阪の特徴ではないか。
- 大阪の商人、金融、資産運用は自然と繋がっていたと思う。豪商などのエリアである北浜に100年以上前から美術クラブ(アートの売買が行われる)が存在することが証明していると思う。
- 北浜には重要な建築物が集中しており、観光としても金融街北浜の歴史的な建築物が大変人気。プロモーションのためにわざわざ新しく作るということ以外に歴史を活かすことも重要。大阪には他にも同様の気づいていない価値が多々あると思う。
- 福岡はもともとアーティストが多い都市でもあったが、それを都市の価値としていこうと進めている。都市の魅力としての食とアートという意味では大阪と福岡は共通点がある。それぞれの取り組みを連携しながら進めることも考えられる。ただ同じテーマでも内容が全く違うことを考えれば、それぞれ深掘りすることで特色が際立つと思う。